「種を蒔いて育てられる人を育てたい」

「庭の教室」って、一体、何を目的に始めるの?と思われる方もいらっしゃるかも知れません。

少しでも構想の一端をお伝えできればと思います。

 

8月に、2泊3日で、自主研修と称してある場所へおじゃまして来ました。

 

1日目は、愛知県刈谷市にある「フローラルガーデンよさみ」という公園へおじゃましました。ここは、日本初の対ヨーロッパ無線通信施設だった、依佐美(よさみ)送信所跡地に作られた公園。この公園が素晴らしいのは、公共空間を公民で支える仕組みが草の根的に機能しているんです。地域の人や植物好きな人たちのボランティアに支えられています。こうした活動は、時間の経過と共に人的にも経済的にもジリ貧になっていき、次第に廃れてしまいがちですが、ここは年々人が増えているのだそうです。
 
好循環の活動は、パークマネジメントの成功例として、専門誌「ランドスケープデザイン」No.115 8月号にて、公園プロデューサーの小口健蔵さんの連載記事のトップを飾り、現在各方面から熱い注目を浴びています。

▼公開された掲載記事の全文
http://park-management.seesaa.net/article/453025335.html
 

この公園の運営とヘッドガーデナーを任されている、株式会社フィーカ( http://www.fikadesign.jp/ )の代表 近藤かおりさんに、運営のコツなど現場を見ながら、たっぷりお話を伺いました。近藤さんとは、植物学者の先生の講演で知り合って意気投合し、頻繁に情報交換をさせてもらっています。
 

「種まきから植物を育てられる人を育てたい」というかねてからの想いを叶えるために試行錯誤してきた近藤さんは、公園という公共の場に、実現の可能性を見出しました。植物には、知らず知らず人を呼ぶ効果があります。桜の季節のお花見もそうですし、花がキレイに咲いている場所へは、不思議と人は寄ってみたくなりますし、ゴミを捨てて汚くしようなどとは思わないものですよね。

 

そうした景観はきっと、子ども達にとって、いつまでも心に残る心象風景になるのではないでしょうか。善意あふれる美しい景観を、子ども達の手 自ら創ることができたらステキだと思いませんか。芽が出たといっては喜んだり、虫や病気にやられて枯れたといっては残念がったり、自然の中で試行錯誤を繰り返すうちに、気がついたらステキな風景が広がるガーデンができていた…!なんてことになったら、すごく貴重な体験になると思います。このような体験は、わざわざ自然豊かな森や田舎へ遠出しなくても、自分の身の回りでできることを、「&Garden 」では提案してみたいなと思っています。

 

「フローラルガーデンよさみ」は以前は閑散としていて、街灯が投石で壊されたこともあるような公園だったそうです。公園に緑と花が増えるにつれ、人が集まり、シビックプライドが生まれ、今では植物を介した善意のコミュニティが広がっています。

百聞は一見に如かず、ガーデンの様子をフォトギャラリーでぜひご覧ください。

 

▼シビックプライドについてはコチラ
『シビックプライドが地域の価値を再定義する』
http://www.worksight.jp/issues/831.html
 

▼フローラルガーデンよさみ
http://garden-yosami.jp/