エディブル・スクールヤードを知っていますか

自主研修2日目は、「テラコヤ・エディブルVol.5@国連大学」へ参加しました。これは、一般社団法人エディブル・スクールヤード・ジャパンが開講しているプログラム。この団体は、カリフォルニア州バークレーを拠点に、全米、および世界の教育機関とネットワークするエディブル・スクールヤード・プロジェクトの日本における窓口として承認された唯一の機関です。

 

***

ここで、エディブル・スクールヤード・プロジェクトについて、わたしなりの解釈とご説明を。

 

「エディブル・スクールヤード」とは、直訳すると「食べられる校庭」―― 校庭に菜園をつくろう!ということになります。提唱したのは、カリフォルニア州バークレーにあるオーガニックレストランのオーナー、アリス・ウォータースさん。ある日、アリスは、通勤のたびに見る荒廃した公立中学校に心を痛め、「このままでいいのか」という問題提起をします。このインタビューを見た当時の校長先生がアリスに電話をしたことから、エディブル・スクールヤード構想が始まります。

 

アスファルトをはがして約1200坪(サッカーグラウンド約1つ分)の菜園をつくり、使われていない教室をキッチンに改装。ここで、子どもたちは、野菜の育て方や調理の方法を学ぶだけでなく、効率的に作業ができる農園の面積を算出したり、土壌の性質を調べたり、作物の原産地を調べたりすることで、算数や理科、歴史を学びます。美術の時間には、植物やガーデンの絵を描き、国語の時間にはガーデン活動に関する作文を書きます。そして、仲間たちと協力しながら、創り育てることの醍醐味や達成感、労働の喜びを知り、皆で食卓を囲むときの温かさや楽しさを体感します。感性と知識の両輪を身につけられるようになった子どもたちが、荒廃した中学校を立て直したことは想像に難くないでしょう。

 

この運動は、教育プログラムの一つとして「エディブル・エデュケーション」と呼ばれ、今では全米で正規の授業として実践されています。さらには世界各国に広がり、導入件数は5400カ所を超えています。そして、日本でもこの活動を取り入れようと、2014年に「一般社団法人エディブル・スクールヤード・ジャパン」が設立されました。

 

エディブル・エデュケーションは、〈必修教科+栄養教育+人間形成〉の3つをゴールとし、各々の学習目的を融合させた授業を行っています。しかしその前提には、持続可能な生き方、エコロジーを理解する知性と、自然界と結びつく情感的な絆を、どう子どもたちに身につけさせるかを教育の場で行うことにあります。それは、食べること、いのちのつながりを学校で教えることが求められる現代において、画期的な教育モデルとして注目され、発展しています。(エディブル・スクールヤード・ジャパン (ESYJ)公式サイトより一部抜粋/ ESYJ より掲載の許可を得ています)

***

さて、ここで鋭い方はお気づきになってきたかと思いますが、「&Garden 」は、「フローラルガーデンよさみ」でのボランタリー精神あふれる植物を介したコミュニティづくりと、「エディブル・エデュケーション」とを融合したようなことができないだろうかということで、自邸の庭と畑を参加者へ開放し、まずは小さな小さなモデルづくりに挑戦してみよう!という構想なのです。野菜も植物の一つですので、食べられるものだけでなく、花や道ばたの草、樹木など、すべての植物と、そこへ生息する虫や鳥、微生物などの生きものにまで想いを巡らし、子どもたちの感性を磨く場になれたら…と夢が膨らんでいます。

 

こんな大それたことを果たしてどこまで実現できるのか、まだまだ手探りではありますが、ご関心のあるご家庭とお子さんに集まっていただけたらと思っています。